前回の記事では、継親が「愛せない」「距離が縮まらない」と感じる背景には、 関係の構造そのものに理由があることをお伝えしました。 継親子関係は途中から始まるからこそ、どうしても難しさが生まれます。
けれどその一方で、 途中から始まる関係だからこそ育つもの、 継親だからこそ担える役割 も確かに存在します。
継親は、実親とは違う距離感を持つ大人だからこそ、 子どもの心に別の角度から光を当てることができます。 それは、子どもにとっても、継親自身にとっても、 関係をゆっくり育てていくための大きな力になります。
今回は、継親だからこそできる関わり方や、 子どもの心に届くもうひとつの安心の育て方について、 前向きな視点からお話ししていきます。
・子どもとの接し方のコツが分からない
・実親と同じようにできなくて苦しい
・良い関係を築きたいことは分かって欲しいのにうまくいかない

実の親とは違う継親だからこそできることがあるとしたら嬉しいな
事前に知識がある状態で挑むことができると安心だね
継親だからこそできること:子どもを「別の角度」から見守ることができる
実親のようにならなくてはと必死になるほど、自分の不甲斐なさを感じてしまうことがあります。でも、実親と継親は、そもそも役割の性質が違います。
実親が「近距離で支える存在」なら、継親は「少し離れた場所から、広い視野で見守る存在」です。
実親と異なる継親の「距離感」こそが、実は子どもにとっての救いになることがあるのです。
実親の愛情は、時に「近すぎる」
- 自分の価値観を投影してしまう
- 「こうなってほしい」という期待が強くなりすぎる
- 距離が近すぎて、感情的にぶつかってしまう
それらは深い愛情ゆえですが、距離が近すぎるがゆえに、子どもの「ありのまま」が見えなくなる瞬間があるのも事実です。
継親の強み 客観的に子どもをみることができる

継親は、子どもとの間に血縁という「一体感」がないからこそ、一人の人間として、冷静に子どもを観察することができます。
客観的にみるから気がつけることがある
近すぎるからこそ実親が気づかない子どもの小さな変化や、実親が気がつきにくい隠れた才能に気づけることがあります。また、子どもの気持ちを客観的な立場だからこそ理解しやすい場面もあります。
感情の防波堤になれる
実親と子どもが感情的にぶつかっているとき、一歩引いた場所から「まあまあ」と冷静に声をかけることができます。実親だからこそ強い感情で冷静になることが難しいことがありますが、そんなときに感情に巻き込まれずに対処しやすいのは強みです。自分の期待を押し付けず、「あなたはどうしたいの?」と対等な立場で話を聞いてあげることもできます。
継親だからこそできること:子どもに「別の世界」を見せることができる
継親は子どもにとって「家庭の外のことを教えてくれる大人」です。
- 新しい考え方
- 新しい文化
- 新しい視点
- 新しい人間関係
こうした「外の世界」を自然に伝えられるのは、 実親ではなく、継親だからこそ。
子どもは成長すると、必ず家庭の外の世界に触れていきます。そのときに初めて知ることになるのは、家庭ごとに違うルールがある、文化や習慣は家によって違う、いろいろな考え方の人がいる、自分の家の「当たり前」は、外では当たり前ではないことなどです。継親と一緒に暮らし始めて知ることは、外の世界をあらかじめ体験できる、とても大きな経験となります。
つまり社会に出る前の予行練習にもなるということです。継親という存在は子どもにとって、多様性に触れる機会、違う価値観を受け止める練習、自分自身の考えを持つきっかけ作りになります。これは実親にはなかなか難しいことでもあります。

夫と私、それぞれの価値観に触れながら、子どもたちは自分はどうしたいかという考えを少しずつ形にしているように感じます。例えば物の買い方や日々の楽しみ方など、夫の価値観に触れて変わった部分もあります。片親では生まれなかった変化だと思います。
継親だからこそできること:子どもの「逃げ場」になれる
継親だからこそ子どもの精神的な避難場所となることができる可能性があります。
子どもが「実親に本当のことを言えない」のは、愛しているからこその場合もある
子どもが実親に秘密を持ったり、本音を言えなかったりすることがあります。それは決して実親を信頼していないからではなく、逆に「大好きだからこそ、嫌われたくない」「期待を裏切りたくない」という、子どもなりの深い愛情とプレッシャーが働いているからです。
この実親に対する深い愛情が、時に子どもを息苦しくさせることがあります。
継親という心地よい距離感の大人
継親は、子どもにとって「家族」であると同時に、「完全な血縁関係ではない大人」という独特なポジションにいます。この「少しだけ距離のある大人」という存在が、子どもにとっての大きな救いになります。
- 評価されない安心感:実親ほど親としての子どもに対する期待値が高くないので、ありのままの本音を話しやすい
- 第3の視点:実親と子どもが感情的に対立しているとき、冷静に、かつ中立的に子どもの味方になってあげることができる
家庭の中の「避難場所」を目指そう
子どもにとって避難場所になるにはある程度の時間が必要です。最初から信頼されるのはまず難しいことが多いです。ただ、実親とは異なる役割を担うことができる可能性を秘めているということを意識して気長に関係性を作っていくと良いでしょう。
- 実親から子どもが叱られた後、中立な立場でそっと気持ちを聞いてあげる。
- 評価したり責めたりせずに、ただ話をきく存在を心がける。話す作業が子ども自身の気持ちの整理に繋がる。
- 実親と対立しているときに子どもを孤立させず、気にかけていることが伝わるような態度をとる。
継親だからこそできることを大切に
継親は、実親の「代わり」になる必要はありません。 むしろ、実親にはなれない「あなた」だからこそ、子どもに手渡せる安心や、見せてあげられる世界があります。
近くで支える実親と、少し離れて見守る継親。 その両方があることで、ステップファミリーの家庭はより安心できる、優しい場所になっていくのだと思います。
完璧な親を目指すのではなく、子どもにとっての「ちょっと特別な、信頼できる大人」を目指す。 そんな心地よい距離感を、ゆっくりと時間をかけて育んでいきましょう。

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